障がい者雇用の基礎知識 法定雇用率について~その3~

09/08/11 | By: 村中直人

今回は企業における法定雇用率の現状についてお届けします。

『障がい者雇用率 ~その3~』

最新の統計資料(20年6月1日現在の状況)によると
民間企業の雇用率の全国平均は 1.59% となっています。
これは過去最高となる数字で、年々増加の傾向にあります。

法定雇用率の 1.8% にはまだ遠いですが全体的傾向として
企業が障がい者雇用に前向きに取り組んでいる状況がうかがえます。

この状況を人数で考えますと現在雇用されている人数が約32万5千人。
1.8% を達成するために必要な人数が約36万人ですので、
あと約3万5千人の雇用達成で法定雇用率が満たされるということになります。

昨年からの雇用の増加分が約2万2千人ですので、
このペースでもし増加していくと、単純計算で2年後には雇用率達成ということとなります。

「めでたしめでたし」

、というようにも見えますが、、、

実はそこには数字のトリックとでも言うべきからくりが存在しているのです。

先ほどから「人数」と言っていますが、これは実は「雇用されている人の数」の合計ではありません。

「法律的な雇用カウント」の数の合計なのです。

どういうことかと言いますと現行の法律では、

・重度障がい(身体、知的)  → 1人雇うと、2カウント計算
・障がい(身体、知的、精神) → 1人雇うと、1カウント計算
・短時間労働の精神障がい  → 1人雇うと、0.5カウント計算

と必ずしも人間の数と雇用カウントは一致しないのです。

そこでもう一度「人の数」で計算すると、実際に雇用されている人数は約24万人ほどとなります。
雇用率を計算をすると 1.12% となります。

法定雇用率は本来、
「従業員比率にして少なくとも 1.8% は障がいを持っている人と一緒に働きましょう」
という趣旨のもののはずです。

ですから本来の意味でいくと法定雇用率達成にはまだまだ遠いというのが実情ということになります。

実はこの 1.12% という数字、厚労省発表の資料には一切出てきません。
(簡単な計算で求められる数字ではありますが)

重度障がいの方の雇用を促進する意味ではダブルカウントには
確かに雇用を促進するという意味はあると思います。

ですが、障がい者雇用の実態を広く知ってもらうためにも、
今後はこの人数ベースの雇用率(実際雇用率とでも言いましょうか)も
きっちりと記載・公表をしていくことが必要になってくるのではないでしょうか。

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