モチベーション心理学4 行動はコスト?

09/04/04 | By: 村中直人

以前のコラムで解説した、『』の実験を覚えてますか?

電気ショックから逃げ出せない状況でいつづけた犬が、

自力で脱出できる状況になっても逃げだそうとしないというそんな実験でした。

今回はその実験のさらなる応用版実験をもとに、「やる気」についての考察を深めていきたいと思います。

ネズミを使った心理実験にこんなものがあります。

3つの群に分けたネズミに以下のような条件で電気ショックをかけます。

A群:何をしても自力で電気ショックを止められない

B群:頭の上にあるパネルを1回押すと止められる

C群:パネルを8回押すと止められる

どの群のネズミが一番ダメージが大きかったと思いますか?

AかCかで迷うところだと思うのですが、実は答えは「C」なのです。

行動と結果が随伴しているC群のほうが、随伴していないA群よりもダメージが大きい。

これはセリグマンの学習性無力感理論の予想に反する結果になっています。

行動と結果の随伴生だけでは説明できない「何か」が作用していると言えます。

このことを考えるのに『行動コスト』という考え方が役に立ちます。

行動コストとは何かを達成するために消費する、肉体的、精神的ネルギーのことです。

今回の実験では「パネルを8回押す」という行動がC群の行動コストということになります。

『行動コスト』が得られる価値に対してあまりにも高い場合、

意欲が低下し、ストレスがかかります。

「たいへんそうでとてもできない」「そこまでのことはしたくない」 と感じて

行動すること自体をやめてしまうことが多くなりるのです。

今回の実験の結果では、全く望みのない状況よりも達成可能性はあるが、

過度の行動コストを長期にわたり強いられ続ける方がダメージが大きいということになります。

このことを聞いて長期的目標に向かって頑張り続けている

自社のメンバーの姿を連想される方も多いのではないでしょうか。

働き盛りの社会人に鬱が拡がっている背景には、こういった状況があるのかもしれません。

ではどうすれば『行動コスト』を下げ、ダメージを少なくすることが出来るのでしょうか。

次回はそのことについて考えてみたいと思います。

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